tech.guitarrapc.cóm

Technical updates

第24回◯◯o◯裏番組シェル芸勉強会 を PowerShell と C# でやってみる #シェル芸

久々のシェル芸です。

Bsh on Ubuntu on Windows でやろうと思ったのですが、手元の環境が入らないのでそっとじ..。

今回は途中で飽きるまでということで、やってみました。

目次

問題

安定の一撃サイトです。

https://blog.ueda.asia/?p=8639

コード全体

今回の回答です。BoUW かなぁと思いつつ、PowerShell がインストールできなかったのでやめました*1

6問まで回答しています。

言語 回答数 環境
C# 1,2,3 問 LinqPad
PowerShell 1,2,3,5,6 問 PowerShell.exe on Windows 10

gist.github.com

回答

縛りは2つ、「ワンライナー」、「ファイル読み込み」、「複数行になっても問題ない」、です。

Q1. Q1ファイルについて、次のような出力を得てください。

Q1 ファイル

玉子 卵 玉子 玉子 玉子 玉子
玉子 玉子 卵 卵 卵 玉子
卵 玉子 卵 玉子 玉子 玉子
卵 玉子 卵 卵 卵 卵
玉子 卵 玉子

出力

玉子:5 卵:1 
玉子:3 卵:3 
玉子:4 卵:2 
玉子:1 卵:5 
玉子:2 卵:1 

PowerShell / C# ともに行ごとに読み取ってほげもげでした。

C# だと、Select して GroupBy して数をまとめて、OrderBy して並びを整えて、Selectで成形した文字列出力です。

PowerShell も同様です。オペレータの挙動が微妙に違うのですが大枠同じです。

Q2. 次のようなテキストについて、繰り返し出てきた文字の2つ目以降を省いて出力してください。

例えばQ2のファイル

へのへのもへじ

の場合、「へのもじ」が正解の出力になります。

これは、C#では .Distinct() を使えば一瞬です。

PowerShell でも同様ですが、2つ一応用意しました。一つはHashtable のキーが重複不許可なことを利用しているのと、同様に Distinct() です。Hashset でもなんでもいいと思いました。

ちなみに using NameSpace を使っていいなら、

using Namespace System.Linq;
cat .\Q2.txt -Encoding utf8 | %{[string]::new([Enumerable]::Distinct([char[]]$_))}

です。

Q3. 第一フィールドをキーにして%%でレコードを区切ってください。
金 日成
キム ワイプ
金 正日
キム タオル
金 正男

というデータを、

%%
キム タオル
キム ワイプ
%%
金 正男
金 正日
金 日成
%%

区切りをテキストで出す意味...は、おいておいてやります。

C# では、初期化変数を用意しちゃいました。なしで書くとどうなるか思いつかない当りできない子です。あと、ずるいと思いつつTuple使ってます。

PowerShell は、awk と同じ要領ですね。

Q4. Q4.xlsxのA1のセルには数字が書いてあります。その数字を出力してください。A4には文字列が書いてあるので余裕がある人はそれも特定してみましょう。

やりません*2

Q5. ファイルQ5について、xに好きな数を代入して各行の式を計算してください。
x + x^2
x + 1/x
x*x*x

余裕のある人は、例えばxに2を代入したければ、

$ echo 2 | ...

というようにecho <代入したい数>から始めてワンライナーで解いてみてください。

echo から初めてと言われた時点で C# はやめて、PowerShell のみで。また、2^2 という構文がないため、Math.Pow(x,2) に書き換えています。

PowerShell の場合、ScriptBlock を Invoke という手と Invoke-Expression を使うのが楽です。C# も似たようなものですね。

今回は Invoke-Expression (iex) を使っています。

Q6. 「玉子」と「卵」の数を数えて、数が少ない方を数が大きい方で置換してください。
卵卵玉子玉子玉子玉子玉子卵卵卵玉子玉子卵玉子玉子玉子玉子卵卵玉子卵玉子卵卵玉子卵玉子

ずるしちゃいました。汎用性がないのであまり好きじゃないのですが。

Q7. 飽きました
Q8. 飽きました

まとめ

C# というか、Linq できれいにつながると楽しいですね。PowerShell でつないでいくよりも可読性が圧倒的に高いのはいいなぁと。

ただ、コードは長くなりがちというのは仕方ないとはいえ感じました。

雑魚回答なので、もっと良い回答をぜひ。

*1:bashではやりません

*2:COM使ったら怒られそうだし。PowerShell はモジュール使っていいなら1 Cmdletでできちゃいます

Azure Web Apps を使ったReference Source による ブラウザ上でのコード追跡

2014年2月に Microsoft がブラウザ上におけるソースコード閲覧の新しい体験を提供しました。今でも使うことが多い、Reference Source です!! 個人的にこの時の衝撃はすさまじいものがありました。

blogs.msdn.microsoft.com

http://referencesource.microsoft.com/

※ Reference Source で閲覧可能なソースは、現在の 4.6.2 までの全ソースを zip でダウンロードすることもできます。

Download the entire reference source

さて、今回はこの Reference Source を自分のソースコードにも適用できますよ。というお話です。こんな感じで!

目次

Roslyn を使った Reference Source のジェネレータ

Reference Source 以外にも実は Roslyn も同様のフォーマットで公開されています。

Roslyn Reference Source

これらはMicrosoft のエンジニアである KirillOsenkov がOSSとして 2015年に公開した SourceBrowser を使って生成されています。

github.com

SourceBrowser は非常に強力で、既存のC# プロジェクトの Solution ファイルを食わせるだけで自動的に静的サイトのdll やhtml を生成します。

早速見てみましょう。

サンプル

今回は、UniRx をリファレンスソースとして参照可能にしてみます。事前に、Visual Studio Tools for Unity をインストールしておきましょう。

visualstudiogallery.msdn.microsoft.com

SourceBrowser のビルド

SourceBrowser に含まれる HtmlGenerator で、ソースコードをHtml に変換、生成します。まずは、Github からクローンしたら、SourceBrowser.sln を開き HtmlGenerator をDebugビルドしましょう。

ビルドできましたね?

静的Html の生成

では、次に HtmlGenerator のプロジェクトプロパティ > Debug で、Command line arguments に Reference Source を生成したいプロジェクトの .sln ファイルを食わせましょう。今回、D:\GitHub\UniRx\UniRx.sln に、UniRx を置いたので指定して実行します。これで Htmlが生成されます。

が、CI を前提にビルドされた .exe を使っても生成してみましょう。SourceBrowser\bin\Debug\HtmlGeneratorHtmlGenerator.exe が生成されているので次の書式で実行します。

HtmlGenerator.exe <生成したいプロジェクトの.sln> <生成先パス>

今回、私は HtmlGenerator.exe "D:\GitHub\UniRx\UniRx.sln" "D:\GitHub\UniRx.ReferenceSource\src" としました。

実行すると、さくさく生成されます。

中略

生成されました。非常に高速です。

Writing referencing assemblies complete. Took: 00:00:00.0277302
04:16:02 Finalizing references complete. Took: 00:00:08.6732978
04:16:02 Generating website complete. Took: 00:00:31.2171024

生成されたファイルは、HtmlGenerator.exe と同パスにある Index フォルダにあります。

Azure Web Apps にデプロイ

生成された中身は Web.config や Global.asax をはじめ、各種dll まで含まれており Roslyn ベースで動いています。そのため、ホスティングするサーバーは .NET 4.6 が動いている必要があります。まさに Azure Web Sites 向けですね!

生成したファイルを Github 経由でデプロイして閲覧できるようにしました。個人的に、こういう大量のファイルをただデプロイする場合は、Github -> Azure Web Apps 連携がいいと思います。くれぐれも MSBuild + Deploy Package や MSDeploy は無駄なのでやめたいところです。

github.com

できました!Azure Web Apps も無料プランでお財布に優しいです。

UniRx.ReferenceSource

ということで、どうぞ。UniRx のソースをブラウザ上で閲覧できます。

UniRx.ReferenceSource

できることはReference Source 同様です。定義へのジャンプ、コード検索、シンタックスハイライト、コード選択でURL共有、などなどちょっとしたIDEよりも高性能です。

CI

ちなみにVSTS を使うと、ビルドパイプラインをガシガシ重ねることで特別なスクリプトなどもなしにCI/CD が可能です。

同期ツール

イミュータブルなビルドパイプラインを作っていると、ローカルで同期をしたくなることがあります。しかし、RoboCopy は最終更新時間で判定、MSDeploy はチェックサム検証コピーが可能ですが遅いと従来のツールでは問題があります。しかし、同じくKirillOsenkov が作成した CotentSync を使うと爆速で同期できます。最高です。このツール、コードもきれいでシンプルで、本当に感動を覚えます。

github.com

まとめ

グラニでは、実際にプロダクションコードを Github 以外にもブラウザから追跡可能なように提供しています。*1 この記事が、皆様のコード共有の役に立つことを願っています。

*1:AzureAD 認証を付けることで SSOも担保できます

AWS の新ELB である Application Load Balancer を .NET SDK で作成してみる

AWS のロードバランサーといえば ELB です。これはEC2 をバックエンドに置いたときの負荷分散として多くで採用されることが多いものです。

しかし従来の ELB は Google LoadBalancer と比べてもいろいろできなくてもんにょりします。これはGoogle LoadBalancer が優れているのもありますが、ここ数年細かな設定サポート追加はあったものの、目立った機能改善がなかったこともあります。

さて、2016年8月12日 AWS Application Load Balancer が発表されました。全リージョンですぐに利用可能です。

New – AWS Application Load Balancer | AWS News Blog

これはずいぶん前からGAを待っていたもので、ようやくGA としてプロダクションで使うことができます!早速見てみましょう。

目次

Application Load Balancer でできること

従来の ELBはレイヤー4 と レイヤー7 で動いていました。これは今後 Classic Load Balancer (CLB) と呼称されます。今回リリースされたのは レイヤー7 専用のロードバランサーで Application Load Balancer (ALB)と呼称されます。

ALBは従来に比べて多くのサポートが入りました。

  • コンテンツベースルーティング
  • WebSocket サポート
  • HTTP/2 サポート

コンテンツベースルーティングサポートが入ったことで、自前API サーバーがある場合の制御がかなり楽になったと触りながら感じています。

例 : https://api.hoge.jp/api/v1/hogehttps://api.hoge.jp/api/v2/hoge など

あるいは、従来は Route53 で環境別にドメインを取得してバックエンドを振り分けていた場合、1つのELB からバックエンド振り分けが可能になります。ただしそれぞれがパスに対応した入口を持っている必要があります。

例 : https://hoge.jp/devhttps://hoge.jp/prod など

Classic Load Balancer の移行

Python製の移行ツールが公開されています。

github.com

以下の状況がサポートされていないようなので注意です。

  • Classic load balancer has TCP or SSL listeners
  • Classic load balancer is in EC2-Classic
  • Classic load balancer has only one enabled subnet
  • Classic load balancer has TCP or SSL health check configured
  • Classic load balancer has an unsupported policy (please note that this utility does not currently support sticky sessions)
  • Classic load balancer has more than 50 unique backend ports
  • Classic load balancer has more than 10 listeners

価格

既存の Elastic Load Balancing の価格ページが Classic Load Balancer と Application Load Balancer に分かれています。

aws.amazon.com

aws.amazon.com

ELB 自体の価格は10% 既存より安くなっています。

The hourly rate for the use of an Application Load Balancer is 10% lower than the cost of a Classic Load Balancer.

東京の場合、現時点は以下のようです。

ELB 価格
Classic Load Balancer $0.027 per Elastic Load Balancer-hour (or partial hour)
Application Load Balancer $0.0243 per Application Load Balancer-hour (or partial hour)

一方でデータ処理に関しては従来と変わっています。

ELB 価格
Classic Load Balancer $0.008 per GB of data processed by an Elastic Load Balancer
Application Load Balancer $0.008 per LCU-hour (or partial hour)

LCU になってことで計算がずいぶん変わります。1LCU は以下です。

  • Up to 25 new connections per second
  • Up to 3,000 active connections per minute
  • Up to 2.22 Mbps

試算例が載っています。

AWSSDK.NET の対応状況

すでに対応SDKが nuget でリリースされています。すぐに試すことができます。

www.nuget.org

github.com

早速、Amazon Certificate Manager で用意した証明書を使った HTTPS を HTTP に流す ELB を作成してみましょう。適当に必要な nuget パッケージを取得しておいてください。

www.nuget.org

www.nuget.org

www.nuget.org

ザックリこんな感じです。

gist.github.com

作成直後は、provisioning というステータスですが数分で利用可能になります。

従来の CLB との違い

Listener と TargetGroups

まず作成時に気付くのが、Listener です。CLB では、IN-OUT(Instance) の Protocol / Port を Listener で設定していました。こんな感じですね。

ALB では IN を Load Balancer の Listener、OUT(Instance) を TargetGroup で設定することになります。例えば、上記コードで作成した段階では、HTTPS 443 で待ち受けなので以下のようになります。

そして Load Balancer がルーティングした先の TargetGroups を見てみると、作成したTestTargetGroups は、HTTP 80 で待ち受けます。もちろん stickness なども TargetGroups 単位で設定可能です。

TestTargetGroups は、ヘルスチェックを/ に対して HTTP : 80 で行います。(override port で別ポートも指定可能です)

TargetGroup は明らかにこれまでより良いやり方です。コンテンツベースでどこにルーティングするかを TargetGroup で指定することになります。そのため、インスタンスの紐づけも従来の Load Balancer 直接ではなく TargetGroup に変更となりました。

Rule 設定

コンテンツベースルーティングの設定は、Load Balancer の Listernersにある各リスナーに設定します。ここで、指定したパスのアクセスをどの TargetGroups にフォワードするか設定するだけです。非常に簡単です。

バックエンドインスタンスがない場合のエラー画面

これまでは真っ白画面でしたが、503 Service Temporarily Unavailable awselb/2.0 が帰ってきます。

Swagger UI

Stickness を有効にしても無効でも、ブラウザ上での Swagger UI でのAPIテストで content が空で返ってくるようなのでちょっと確認が必要のようです。

cUrl などでのAPIレスポンスは返ってきています。

ALB の削除防止

従来の CLB では削除防止がなく、事故で削除がありえました。が、ALB でようやく Deletion protection が設定可能鳴りました。

安心です。

Load Balancer の種別表記

従来のものが Classic、ALB が Application になりました。

まとめ

ようやく待ちに待った レイヤー7 ロードバランサーが誕生です。次は、できれば従来のL4ロードバランサーである Classic Load Balancer に Persistent TCP サポートを入れてほしいところです。Google Load Balancer なら.... げふ。

Windows 資格情報マネージャーをPowerShell DSC で構成管理するリソースを公開しました

PowerShell DSC は PowerShell が目指してきた姿の1つの目標であり、強力な技術基盤です。

PowerShell は DSC を提供にするにあたり、OMI の実装を WMI から クロスプラットフォームな CIMに移してきました。実際 Linux で PowerShell DSC を利用する PowerShell-DSC-for-Linux も公開されています。

github.com

また WMF5.1 からは、PowerShell Core、つまり .NET Core 実装のクロスプラットフォーム PowerShell も提供されます。シェルとして使い心地に課題は残るものの、着実にPowerShell でやると楽な部分、という意味での存在価値は間違いなく存在します。

さて、そんな PowerShell ですが WMF5 からは、DSC の実行ユーザーが BuiltIn/SYSTEM だけでなく任意のユーザー指定が可能になりました。これによりユーザープロファイルに依存する処理も管理可能になりました。

ということで、先日 資格情報マネージャーのリソースを公開したのでご紹介です。*1

目次

資格情報マネージャーの操作

以前 資格情報マネージャーを PowerShell で操作する方法を示しました。

tech.guitarrapc.com

現在はもう少しコードを修正していますが、ようはこれを PowerShell DSC でやれるようにします。

PowerShell Gallery からの導入

WMF5 以降の環境ではワンライナーでDSCリソースを利用できます。

Install-Module -Name GraniResource -Scope AllUsers

幸いにも PowerShell Team が公開している以外のリソースとして上位に位置するダウンロード数のようで嬉しい限りです。

www.powershellgallery.com

実はリポジトリ名を DSCResources から GraniResource へこっそり変えていますが、ソースコードも変わらず公開しています。*2

github.com

利用

Grani_CredentialManager を利用することで、資格情報マネージャーを管理できます。デフォルトは、DSCの実行ユーザー、つまり SYSTEM アカウントが対象です。このアカウントができるということは、SYSTEM で動作するサービスの資格情報を管理できます。

gist.github.com

また、PsRunAsCredential を指定することで任意のアカウントの資格情報も操作できます。

gist.github.com

Grani_CredentialManager について

前回のリソース作成から、PowerShell チームへの今トリビュートを重ねる中で得た知見を使って少し書き方を変えました。

本体とヘルパーの分離

いわゆる *-TargetResource が PowerShell DSC を関数で記述したときの本体です。*3

今回のリソースは、ロジックを C# に閉じ込めていたこともあり本体の処理は非常にシンプルです。が、それでもヘルパーとなる補助関数は *helper.psm1 として分離しました。

ポイントは .psm1、つまりモジュールとしての分離です。本体の Grani_CredentialManager.psm1 で公開していないので内部モジュール扱いなのですが、Pester テストを含めた取り扱いの良さから .ps1 ではなく .psm1 にしています。この手法は、xTimeZone リソースでも行っておりPowerShell におけるプライベートな関数を閉じ込めるにあたりとてもいい手法だと思います。

github.com

呼び出しもシンプルですしね。

Import-Module -Name (Join-Path -Path $PSScriptRoot -ChildPath "Grani_CredentialManagerHelper.psm1") -Verbose:$false -Force
PowerShell のまずいポイント対策

PowerShell には致命的なポイントがあります。それが、バイナリモジュールを利用する場合 DLL をロックしてしまうということです。つまり、C# で書いてビルドしたDLL を DSC などで利用すると、DSC実行中はファイルロックされます。これはデプロイの観点からみると非常に問題で、Windows 嫌いになります。その対策として、以前 Assembly.Load を利用したダイナミックモジュールによるロック回避も提示しました。

tech.guitarrapc.com

tech.guitarrapc.com

しかし PowerShell DSC に限らず、この手法は正直いやです。人道的とか言いながら逆説的な複雑性を増しています。

そこで今回をはじめとして、PowerShell の Add-Type Cmdlet を利用した C# コードのオンザフライコンパイルによるコード注入を好んで使っています。これならばファイルロックを回避できます。問題になりえるのは、同一AppDomain への 同一名前空間、クラス、シグネチャの多重インポートですが PowerShell DSC は毎回の実行で別AppDomain を起動するので問題ありません。

具体的にはこのC#コード を、ヘルパーとして差し込んでいます。

    $code = Get-Content -Path (Join-Path -Path $PSScriptRoot -ChildPath "CredentialManager.cs") -Raw
    $referenceAssemblies = @("System", "System.Linq", "System.ComponentModel", "System.Management.Automation", "System.Runtime.InteropServices")
    Add-Type -TypeDefinition $code -ReferencedAssemblies $referenceAssemblies -ErrorAction SilentlyContinue;

あとは、PowerShell から扱いやすいように薄くラッパを作って、DSC本体から呼び出すだけです。

PowerShell Team 公式リソースのテスト

PoweShell Team は、DSC リソースに関して、DscResources/CONTRIBUTING.mdにコントリビューションガイドラインを公開しています。

Grani_CredentialManager は、ガイドラインに沿うようにテストを組んであります。今後 DSC リソースを書いて公開する場合のサンプルにでもなれば幸いです。

https://github.com/guitarrapc/GraniResource/tree/master/Test/Grani_CredentialManagergithub.com

特にこの辺りは基礎となります。

$global:dscModuleName = 'GraniResource'

# Import
$modulePath = (Split-Path -Parent (Split-Path -Parent $MyInvocation.MyCommand.Path)).Replace("Test","DSCResources")
$global:dscResourceName = (Split-Path -Path $modulePath -leaf)
$moduleFileName = $global:dscResourceName + ".psm1"
Import-Module -Name (Join-Path -Path $modulePath -ChildPath $moduleFileName) -Force

# Prerequisite for Initialize-TestEnvironment in Domain Environment
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy Unrestricted -Scope Process

# Initialize
[String] $moduleRoot = Split-Path -Parent (Split-Path -Parent (Split-Path -Parent $Script:MyInvocation.MyCommand.Path))
if ( (-not (Test-Path -Path (Join-Path -Path $moduleRoot -ChildPath 'DSCResource.Tests'))) -or `
     (-not (Test-Path -Path (Join-Path -Path $moduleRoot -ChildPath 'DSCResource.Tests\TestHelper.psm1'))) )
{
    & git @('clone','https://github.com/PowerShell/DscResource.Tests.git',(Join-Path -Path $moduleRoot -ChildPath '\DSCResource.Tests\'))
}
else
{
    & git @('-C',(Join-Path -Path $moduleRoot -ChildPath '\DSCResource.Tests\'),'pull')
}
Import-Module (Join-Path -Path $moduleRoot -ChildPath 'DSCResource.Tests\TestHelper.psm1') -Force
$TestEnvironment = Initialize-TestEnvironment -DSCModuleName $global:dscModuleName -DSCResourceName $global:dscResourceName -TestType Unit

# Begin Test
try
{
    InModuleScope $global:dscResourceName {
        # テストロジック
    }
}
finaly
{
    Restore-TestEnvironment -TestEnvironment $TestEnvironment
}

コントリビューションガイドの通り、PesterDscResource.Tests を使うのがいいでしょう。もう少し パイプラインベースでテストを組めると書きやすいんですが、まだまだフレームワークもなく事実上 Pester しか確立したテスト手法がないですね。

DscResource.Testsは AppVeyor でのテストを通すことを前提で組んでるのか、ローカルでは妙な挙動をするのでバグ報告もしておきました。とりあえず現状でもふつーに使えるはずです。*4

github.com

github.com

まとめ

これで資格情報マネージャーも PowerShell DSC でハンドルできました。そもそも 資格情報が必要になる処理は RunDeck のように外から管理したところですが、なかなか難しいです。

悩ましいものの、いったんは目指した課題解決はできたので試していただけると幸いです。

*1:資格情報マネージャーは当然 Windows 固有実装なんですけどね。

*2:git からの直接ダウンロードで利用しやするための変更です。ご理解いただければと思います。

*3:ちなみにSet/Get/Test がクラスで書いたときの本体です

*4:ゴミカス残したりするのでアレですが

PowerShell 5.0 (WMF5) における PULL Server 構築時のPSDesiredStateConfiguration_1.0 問題

最新情報

2016/8/6 WMF5.1 Preview で本件が修正されました。Windows 10 Anniversary Update から確認ができます。

WMF5 においては、ワークアラウンドを利用するしかないのでご注意ください。

以前の状況

WMF5 がリリースされて数か月たちました。そろそろ皆様の環境も PowerShell 5.0 に置き換わったころではないでしょうか?特に DSC に関しては、これまで CIM Method を直接たたかなくては操作ができなかった部分が、Cmdlet で置き換えられています。また、ConfigurationId も撤廃され、PULL Server から PULL Node への mof document 配信も格段に楽になりました。

と、いいこと尽くめならいいのですが、まだまだ発展途上の技術です。バグも多くあります。ことごとく踏み抜いて対処してきましたが、1つ皆様の投票 (Vote) ご協力いただきたい事案があります。PowerShell Team から User Voiceを依頼されたので挙げましたが、投票数によって優先順位が変わるため PULL Server をお使いの(予定も含めて)方はぜひ清き一票を... (うさんくさい

https://windowsserver.uservoice.com/forums/301869-powershell/suggestions/15496698-minimumcompatibleversion-cause-cannot-find-modulewindowsserver.uservoice.com

目次

概要

DSC を PULL で組んでおいたとしましょう。PULL クライアントが PULL サーバーから Update-DscConfiguration や 定期Consistency Check で最新mof を取得したときに、以下のエラーがおこる状況がありえます。

Cannot find module PSDesiredStateConfiguration_1.0 from the server https://DSCPull:8080/PSDSCPullServer.svc/Modules(ModuleName='PSDesiredStateConfiguration',ModuleVersion='1.0')/ModuleContent";

日本語でも、同様の意味で PSDesiredStateConfiguration_1.0 を PULL Server から 取得できません という内容です。

このエラーが出たが最後、このPULLクライアントは対処しない限り、Consistency Check が実行できなくなります。つらい。

どういうときにおこるのか

初めに、WMF5 にしようとしている方が不安に思わないように条件を明示します。

  • WMF4 では起こりません
  • WMF5 でも WMF4 と全く同じ Configuration を使っていると起こりません

つまりタダのアップグレードなら発生しません。やったね。必ずしも起こるわけではなく、次の条件を満たしたときに発生します。

  • PULL クライアントが PULL サーバーから モジュールを取得する
  • Configuration で、PSDesiredStateConfiguration リソースを利用している
  • MinimumCompatibleVersion が 2.0 になっている

端的に言うと次の状況をすべて満たしたときに必ず発生します。

  • Import-DscResource -ModuleName PSDesiredStateConfiguration -ModuleVersion 1.1 を明示していない
  • WMF 5 で追加された Configuration のプロパティ、例えば PsDscRunAsCredential を使う
  • PSDesiredStateConfiguration のいずれかのリソースを利用している
  • PSDesiredStateConfiguration 以外のカスタムリソースを併用している
  • Configurationをネストしている
  • PULL モードを利用した PULL クライアントを利用している

何が問題なのか

少し説明しましょう。

Import-DscResource -ModuleName PSDesiredStateConfiguration -ModuleVersion 1.1 を明示していない

PowerShell DSC を使っている方の多くは数10の Configuration を用意して、それぞれで様々なリソースを利用すると思います。しかし、Configuration で 利用するリソースは、Import-DscResource を使ってインポートしないと利用できません。*1

また、リソースはどんどんアップデートされるので、PULL Server に最新リソースだけ配置することで、Import-DscResource でリソースのバージョンを明示せず最新版のみを自動的に使うようにするのではないでしょうか。*2

ここはいいのです。当然の ユーザーシナリオです。

問題の始まりは、 WMF5 にはPSDesiredStateConfiguration 1.1 しかないにも関わらず、Import-DscResource -ModuleName PSDesiredStateConfiguration をしただけ/あるいは明示しなかった場合、mof document は ModuleVersion 1.0 となる ことにあります。

順に見てみましょう。まず、Get-DscResource をすると、PSDesiredStateConfiguration1.1 とわかります。

gist.github.com

次に、PSDesiredStateConfiguration の WindowsFeature リソースを使った簡単な Configuration を書き、mof にコンパイルすると次の結果が得られます。

gist.github.com

コンパイルされた mof の PSDesiredStateConfiguration の下にある、ModuleVersion を見てください。1.0 になっていますね。

通常のリソースでは、mofで利用したリソースのバージョンが出力されます。たとえば、一覧にあった GraniResource は 3.7.8.1 なので Import-DscResource -ModuleName GraniResourceとすると ModuleVersion は 3.7.8.1 がmof にも出ます。当然です。ここを見てPULLノードはサーバーに取得依頼するモジュールバージョンを決定しているので、mof の ModuleVersion は、Configuration から mof をコンパイル時に利用したバージョンに厳密であるべきなのです

WMF 5 で追加された Configuration のプロパティ、例えば PsDscRunAsCredential を使う

先ほどの ModuleVersionの明示がなくても、MinimumCompatibleVersion が 1.0 のうちは問題ありません。1.0 はつまり WMF4 と同様の機能しか使っていないことを示します。この場合、「PSDesiredStateConfiguration に限ってModuleVersionが1.0 と PULLクライアントに存在しなくても PULLServerに問い合わせに行かずエラーが発生しない」という挙動をします。(なんだこれ

しかし、MinimumCompatibleVersion が 2.0 になると話は変わります。「PSDesiredStateConfiguration も、他のリソース同様に PULL クライアントに無い ModuleVersion 1.0 が提示されたため、PULLServerに問い合わせに行きますが、PULL Server も WMF5 なので 1.1 のモジュールしかなくエラーで終わる」という挙動に変わり、PULLクライアントが永遠にPULLを開始できない状況になります。

さて、MinimumCompatibleVersion が 2.0 になる条件が、WMF5 で追加された Configuration の追加プロパティ、「PsDscRunAsCredentialを使う」などといったことです。通常 DSC の実行は SYSTEM アカウントですが、PsDscRunAsCredential を使うと指定したユーザープロファイルで動作します。素晴らしいプロパティです。使いどころによっては、これまでのプロファイルを横断する方法をとらなくて済むので最高ですが、まさかこんな落とし穴が。

gist.github.com

なお、PSDesiredStateConfiguration リソースで PsDscRunAsCredential を使うと、ModuleVersion が 0.0 になり問題は回避できます。ただし、無駄に指定が必要ですが。

PSDesiredStateConfiguration のいずれかのリソースを利用している

問題は、PSDesiredStateConfiguration と、そのほかのカスタムリソースの併用で起こります。さて、先日の記事でも書きましたが、xPSDesiredStateConfiguration モジュールは、ビルトインの PSDesiredStateConfiguration モジュールの機能も移植して機能改善を高品質、高速に回そうとしています。

tech.guitarrapc.com

github.com

さて、今回の問題は PSDesiredStateConfiguraion のリソースを使うと発生します。この中で Fileリソース を除いて*3 xPSDesiredStateConfiguration モジュールの xリソースに置き換えが可能です。

逆にいうと、Fileリソースを利用している場合は、遭遇してしまう可能性があるということです。

Configurationをネストしている

これまでの条件をすべて満たす Configuration のネストで発生します。具体的には次のようなものです。

gist.github.com

ここまでの事例のいずれかのみを満たすだけなら問題は発生しません。

単純な Configuration

gist.github.com

PsDscRunAsCredentialの利用

gist.github.com

同一 Configuration での指定

gist.github.com

PSDesiredStateConfiguration のみの ネスト

gist.github.com

PULL モードを利用した PULL クライアントを利用している

本件は、PUSH では発生しません。PULL でのみ発生します。

一時対応 (Workaround)

問題が明確なので、一時対応も取れます。

PSDesiredStateConfiguraion を xPSDesiredStateConfiguraion で置き換える。

今後は、xPSDesiredStateConfiguraionを 使うことを検討してください。WMF5 なら、Import-Module xPSDesiredStateConfiguration で最新版を取得可能なのでいい感じででしょう。

唯一 File リソースを使っている場合のみ次の方法をとって回避してください。

方法1. Import-DSCResource -ModuleName PSDesiredStateConfiguraion -ModuleVersion 1.1 を明示する

1つの方法は、先述したバージョンの明示です。これで mof のPSDesiredStateConfiguration バージョンが PULL クライアント (WMF5) の 1.1 と合致するので問題が回避できます。

ただし、WMF4 と WMF5 が混在する環境では、WMF4 用の Configuration と WMF5 用のConfiguration で分ける必要があるため、後方互換性が失われます。

方法2. mof document の ModuleVersion を 0.0 に書き換える

先ほど、mofに書かれた PSDesiredStateConfiguraion の ModuleVersion が 1.1と言いました。実は、この ModuleVersion を 0.0 にすると、PULLクライアントは自分が持っているリソースの最新バージョンを使おうとします。

これでいい場合は、mof 生成後にパースかけて置き換えればいいでしょう。

しかし、本来mof は人が読む、操作することを前提にしていません。何しろ mof 生成のための糖衣構文こそが PowerShell DSCですから。本質ではないのです。

方法3. PSDesiredStateConfiguration の利用では必ず PsDscRunAsCredential を利用する

PsDscRunAsCredential を使うと、PSDesiredStateConfiguration の ModuleVersion が 0.0 になるのでこれでも回避できます。

gist.github.com

方法4. ネストを避ける

なるほどありえない。

根本解決の手段

mof を触るのが一番楽です。後方互換性もあります。しかし現状のImport-DscResource は mof で ModuleVersion 0.0 を生成する方法を持っていません。そこで、根本解決として、Import-DscResource[bool]AllowUseLatest のパラメータ追加を提示しています。

これによって、Configuration から mof で利用するバージョン を 0.0 にする手段を得ることができ、柔軟性が高まる上、副作用もないはずです。

まとめ

ここまで読まれた方はまずいらっしゃらないでしょうが、これが問題の概要です。今後の Configuration の書き心地、リソースの更新の負荷に大きくかかわるため、ぜひVoteをしていただけると嬉しいです。

https://windowsserver.uservoice.com/forums/301869-powershell/suggestions/15496698-minimumcompatibleversion-cause-cannot-find-modulewindowsserver.uservoice.com

Vote が 100件行けば即対応入る可能性が高いので、ぜひ Vote していただけると嬉しいです。意見などは UserVoice に書いていただけると PowerShell Team に直で伝わります。

よろしくお願いします。

ちなみに私は、-ModuleVersion を明示しました。今後のWMF更新が鬱ですが仕方ない...。

*1:PSDesiredStateConfiguration に含まれる標準リソースを除く

*2:Import-DscResource -ModuleName GraniResource -ModuleVersion 3.7.8.1などと、バージョンを明示するするのは手間すぎてまずいない

*3:Group もちょっとバグや挙動が変わるので今月のリリース待ち